運送業・物流業の見積書の書き方|運賃・燃料費・附帯作業費の記載方法

更新日: 2026年4月15日

トラック運送業・物流業では、荷主企業から見積書の提出を求められる場面が多くあります。運賃・燃料費サーチャージ・高速道路料金・附帯作業費など、一般的な見積書とは異なる項目が多く、「何をどう書けばよいか分からない」と感じる方も少なくありません。この記事では、運送業・物流業の見積書に必要な項目、運賃の計算と記載方法、よくあるトラブルへの対処法をわかりやすく解説します。

運送業の見積書に必要な項目

運送業の見積書には、一般的な見積書の基本情報に加えて、輸送条件に関する情報を詳しく記載する必要があります。以下の項目を漏れなく盛り込みましょう。

  • 見積書番号・発行日・有効期限:燃料費の変動があるため、有効期限は明確に設定する(1〜3ヶ月が一般的)
  • 荷主情報と運送業者情報:社名・住所・担当者名・連絡先・許可番号(一般貨物自動車運送事業許可番号)
  • 輸送区間:出発地(集荷先)と目的地(配送先)の住所または地域名
  • 輸送する荷物の概要:品名・重量・容積・荷姿(パレット・カートン・バラなど)
  • 車両種別・台数:10トン車・4トン車・軽バンなど
  • 運賃・各種費用の明細:後述の通り項目ごとに記載
  • 消費税・合計金額
  • 条件・備考:免責事項、有効期限の条件など

一般的な見積書の書き方については、見積書の書き方・必要項目の解説も合わせてご確認ください。

運賃の計算方法と記載例

運賃の計算方式には主に以下の3種類があります。自社のサービス形態に合った方式を選び、計算根拠が分かるように記載することが重要です。

1. 距離制運賃

走行距離に応じて運賃を算出する方式です。「距離(km)× 単価(円/km)」で計算します。見積書には「出発地〜目的地間:○km × ○円/km = ○円」のように記載します。長距離輸送や定期ルート輸送に多く用いられます。

2. 時間制運賃

稼働時間に応じて運賃を算出する方式です。「稼働時間 × 時間単価(円/時間)」で計算し、「4時間チャーター:○円(超過は1時間ごとに○円)」のように記載します。都市内の配送や引越し、イベント輸送などに適しています。

3. 重量・容積制運賃

荷物の重量や容積に応じて運賃を算出する方式です。「100kg × ○円/kg = ○円」や「1立方メートルあたり○円」のように記載します。小口輸送や宅配便的なサービスに多く見られます。

燃料費・高速道路料金・附帯作業費の書き方

運賃本体のほかに、以下の費用が発生する場合は個別に項目立てして記載します。

燃料費サーチャージ

燃料費サーチャージは、軽油価格の変動に応じて運賃に上乗せする費用です。国土交通省の公表する「燃料価格目安」に連動させる方式が一般的です。見積書には「燃料費サーチャージ:○円/km(○年○月適用)」または「燃料費サーチャージ:一式 ○円(○年○月適用相場基準)」のように、適用月と単価を明記します。

燃料価格が上昇した場合は改定が生じる旨を備考に記載しておくことで、荷主との間でのトラブルを防止できます。

高速道路料金・フェリー代

高速道路料金やフェリー代は実費請求が基本です。「高速道路料金(○○IC〜○○IC):実費 概算○円」と記載し、「実際の料金を請求書で精算」と条件を付けておくと双方にとって分かりやすくなります。深夜割引やETC割引を考慮した概算額を提示するのも親切です。

附帯作業費

附帯作業とは、輸送に付随する作業のことです。以下のような作業が発生する場合は、それぞれ別項目として記載します。

  • 荷役費(積み込み・積み降ろし作業)
  • 横持ち費(倉庫内での移動)
  • 保管料(倉庫一時保管)
  • 梱包・養生費
  • ラベル貼り・仕分け作業費
  • 時間指定・午前着・時間外配送の割増料金

待機料・空車回送費

荷主都合による長時間待機や空車回送が発生した場合の費用も、あらかじめ見積書の条件として明記しておくことが重要です。「荷積み・荷卸し待機時間が○分を超えた場合:1時間あたり○円加算」などと記載しておけば、現場でのトラブルを減らせます。

見積書メーカーでの設定方法

  1. トップページで「差出人」に運送会社名・許可番号を入力
  2. 品目に「運賃(区間・車両種別)」「燃料費サーチャージ」「附帯作業費」などを入力
  3. 単価と数量を入力すると消費税が自動計算される
  4. 備考欄に有効期限の条件・燃料費改定の注意事項を記入
  5. テンプレートを選んでPDFダウンロード
見積書メーカーを開く →

貨物運送事業者向けの注意点(実運送・利用運送)

貨物運送には、自社のトラックで輸送する「実運送」と、他の運送会社に委託する「利用運送」があります。荷主との見積書の形式はほぼ同じですが、以下の点に注意が必要です。

標準的な運賃の適用

2024年以降、国土交通省は荷主への「標準的な運賃」の周知を強化しています。見積書の運賃が標準的な運賃を大幅に下回る場合、ドライバーの賃金や労働条件に影響が出るとして問題視されることがあります。適正な運賃設定のためにも、国土交通省が告示する標準的な運賃を参考にしましょう。

書面による運送契約の義務

貨物自動車運送事業法では、運送事業者と荷主の間で運賃・料金・運送条件を書面で確認することが求められています。見積書を交わした後、正式な運送契約書や運送申込書を作成することで、トラブル時の証拠にもなります。

インボイス制度への対応

2023年10月からインボイス制度が始まっており、適格請求書発行事業者の登録番号を見積書・請求書に記載することが求められます。詳しくは見積書の消費税・インボイス対応ガイドをご参照ください。

見積書作成時のチェックリスト

運送業の見積書を提出する前に、以下の項目を確認しましょう。

  • 輸送区間(出発地・目的地)が正確に記載されているか
  • 車両種別・台数・積載量が明記されているか
  • 運賃・燃料費サーチャージ・高速道路料金が項目ごとに分かれているか
  • 附帯作業費(荷役・保管・梱包など)が漏れていないか
  • 待機料・空車回送費の条件が記載されているか
  • 有効期限が設定されているか(燃料費変動の注意文が入っているか)
  • インボイス登録番号が記載されているか
  • 免責事項(天候・交通事情による遅延など)が備考に入っているか

見積書を電子化・PDF化する方法については、見積書を電子化・PDF化するメリットの記事もご参考ください。

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見積書メーカー 編集部

中小企業の経理実務経験をもとに、見積書・請求書・納品書の作成ノウハウを発信しています。年間1万件以上の見積書作成に利用されている「見積書メーカー」を開発・運営。実務で本当に役立つ情報を、ツール開発者の視点からお届けします。

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