電気工事業の見積書の書き方ガイド【記載例・テンプレ付き】

更新日: 2026年4月19日

電気工事の見積書は、幹線工事・照明工事・コンセント工事・弱電工事など工種が多岐にわたり、 材料費・労務費・諸経費の内訳を整理して記載する必要があります。また、電気工事業法に基づく 許可番号の記載やインボイス対応も求められるようになっています。本記事では電気工事業者向けに、 材工分離・材工込みの違いから工種別記載例、諸経費の相場まで詳しく解説します。

電気工事の見積書の特徴と構成

電気工事の見積書は、一般的な業種と比べて工種の分類が細かく、材料費と労務費の内訳を 明示することが多い点が特徴です。特に元請けのゼネコンや官公庁向け工事では、 「材工分離」形式(材料費と労務費を別々に計上)を求められるケースが多く、 積算の根拠を示す資料としての役割も担います。

  • 材工費(材工込み):材料費と労務費を合算した金額で記載する方式。 個人宅・小規模工事に多い。シンプルで発注者にも分かりやすい。
  • 材工分離:材料費と労務費を別々に計上する方式。 公共工事・大型物件・ゼネコン案件で求められることが多い。 材料は支給品か購入品かを明記する必要がある。
  • 工種別分類:幹線工事・動力工事・電灯工事・弱電工事など、 工事の種類ごとに項目を分けて記載するのが基本。
  • 諸経費の計上:現場管理費・一般管理費・廃棄物処理費などを 直接工事費に対する比率で計上する。

見積書の基本的な書き方は見積書の書き方・必要項目をわかりやすく解説も参考にしてください。

工種別の記載方法と単価目安

電気工事の見積書では、工事の種類ごとに項目を分けて記載します。 それぞれの工種の記載ポイントと一般的な単価目安を解説します。

1. 幹線工事(引込・幹線ケーブル)

電力会社の引込点から分電盤・配電盤への幹線ケーブル敷設工事です。 ケーブルの種類(CV・CVT・VVF等)、芯数、太さ(㎟)、配線長(m)を明記します。 ケーブルラック・電線管(VE・C-PF・G管等)も使用する場合は種類とサイズを記載します。 設備容量(kVA・kW)と電圧(単相200V・三相200V等)を備考に記載すると 内容の確認が容易になります。

2. 動力工事(コンプレッサー・空調・設備)

動力設備(三相200V)への電源供給工事です。設備名称・容量(kW)・回路数を明記します。 制御盤・操作盤の設置が伴う場合は、盤体の仕様(規格・製造メーカー・回路数)と 設置費を分けて計上します。空調設備の電気工事では、室内機・室外機への接続配線、 リモコン配線、外部信号配線なども項目として挙げます。

3. 電灯工事(照明・コンセント)

照明器具の取付・配線工事および一般コンセントの新設・増設工事です。 照明器具は「品名・型番・数量・材工費」の形式で記載します。 コンセントは「種類(一般用・防水型・アース付き等)・数量・配線延長・材工費」を記載します。 スイッチ類(単極・3路・4路・タイマー)も工事種別として明示します。

4. 弱電工事(情報通信・セキュリティ)

LAN配線・電話配線・インターホン・防犯カメラ・火災報知設備などの弱電工事です。 弱電工事は電気設備工事と混在して見積もりに含めることが多いため、 工種を明確に分けて記載することが重要です。 LANケーブルはカテゴリ(Cat6・Cat6A等)、電話配線は回線数・端末数を明記します。 防犯カメラ・セキュリティシステムは機器仕様と設置台数・配線工事費を分けて計上します。

5. 外線・受変電設備工事

高圧受電設備(キュービクル・変圧器)の設置・更新工事や、外線引込工事です。 受変電設備は設備容量(kVA)・電圧階級(6.6kV等)・機器仕様を詳細に記載します。 官公庁・大型商業施設向けの工事では、電力会社との協議費用・申請費用も計上します。

電気工事見積書の記載例

戸建住宅の電気工事リフォームを例に、材工費形式での見積書記載例を示します。

工事名称:電気設備工事(戸建住宅リフォーム)

工事場所:東京都〇〇区 △△様邸

有効期限:2026年7月19日まで

工事項目仕様・規格数量単位単価金額
【分電盤工事】85,000
分電盤取替パナソニック BQR8620 20回路 200V185,00085,000
【電灯コンセント工事】124,000
コンセント新設アース付きコンセント 材工費8箇所8,00064,000
照明器具取付シーリングライト取付・配線工事6箇所6,00036,000
スイッチ取替ワイド21シリーズ 片切スイッチ8箇所3,00024,000
【弱電工事】68,000
LAN配線工事Cat6ケーブル 壁内隠蔽配線 材工費4回路12,00048,000
テレビアンテナ端子テレビ端子新設・分配工事4箇所5,00020,000
【諸工事・養生・後片付け】25,000
養生・後片付け・廃棄物処分現場養生・廃材処分・清掃一式125,00025,000
直接工事費 小計302,000
諸経費・現場管理費直接工事費の15%(交通費・保険・管理費含む)45,300
工事価格 合計(税抜)347,300
消費税(10%)34,730
見積金額 合計(税込)382,030

※ 上記は戸建住宅のリフォーム工事の参考例です。現地調査の結果によって変動します。
電気工事業登録番号:東京都知事登録 第○○○○号

電気工事業法に基づく許可番号の記載とインボイス対応

電気工事業を営む事業者は、電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)に基づき、 都道府県知事または経済産業大臣への登録・許可が義務付けられています。 見積書への記載は義務ではありませんが、信頼性の向上と発注者への安心感を提供するために 記載することを推奨します。

許可番号の種類と記載方法

  • 電気工事業者登録(経済産業省/都道府県): 500万円未満の軽微な電気工事のみを行う事業者が取得。 「東京都知事登録 第○○○○号」のように記載する。
  • 電気工事業の許可(建設業法): 500万円以上の電気工事(建設業)を行う事業者が取得する建設業許可。 「国土交通大臣許可(般-○)第○○○○号」または「○○知事許可(般-○)第○○○○号」と記載する。
  • 第一種/第二種電気工事士の在籍: 主任電気工事士の資格番号を備考欄に記載することで技術力をアピールできる。

インボイス制度への対応

2023年10月のインボイス制度(適格請求書等保存方式)開始以降、 見積書においても適格請求書発行事業者の登録番号(T番号)を記載する事業者が増えています。 見積書自体は「適格請求書」ではありませんが、請求書発行時に適格請求書を発行できる 事業者であることを明示するため、見積書の発行者欄に登録番号を記載しておくと 発注者の経理処理がスムーズになります。

インボイス対応の詳細は見積書の消費税の書き方【インボイス対応版】もご参照ください。

よくある記載ミスと注意点

電気工事の見積書作成でよく起こるミスと、その防止策を解説します。

ミス1:「電気工事一式」のみの記載

「電気工事一式 ○○万円」という記載は、工事内容が不透明で発注者に不信感を与えます。 特にリフォーム工事では、施主から「何の工事が含まれているのか」と問い合わせが来ることが多いです。 工種ごとに項目を分けて記載し、使用する機器・ケーブルの仕様も明示することで 見積書の信頼性が高まります。一式の使い方については見積書の「一式」の正しい書き方と注意点も参考にしてください。

ミス2:支給品・持込品の区別が不明確

照明器具・スイッチ・コンセントなどを施主が支給する場合、見積書には「施主支給品取付のみ」 と明記する必要があります。支給品扱いにもかかわらず材料費を計上すると、後からトラブルになります。 支給品の場合は「取付工賃のみ計上、器具は施主支給」と備考欄に明記しましょう。

ミス3:申請費用の計上漏れ

電力会社への申請(工事計画届・竣工検査等)や建設業許可業者としての書類作成費用、 保安協会への申請費用などが見積もりから漏れることがあります。 これらの費用は「申請費用・手数料」として独立した項目で計上するか、 諸経費に含む場合はその旨を備考欄に記載しましょう。

まとめ

電気工事業の見積書作成で押さえるべきポイントをまとめます。

  • 工種別(幹線・動力・電灯・弱電)に項目を分けて記載する
  • 材工費か材工分離かを発注者の要件に合わせて選択する
  • 使用する機器・ケーブルの品番・仕様まで明記する
  • 電気工事業者登録番号・建設業許可番号を備考欄に記載する
  • インボイス登録番号(T番号)を発行者欄に記載する
  • 申請費用・諸経費は漏れなく計上し根拠を示す
  • 支給品・持込品の区別を明確にする

透明性の高い電気工事見積書は、発注者との信頼関係を構築し、 工事後のトラブルを未然に防ぐための重要な書類です。 見積書メーカーを使えば、工種別の明細項目を自由に設定してPDF出力できます。ぜひご活用ください。

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